yamaは諺や慣用句が好きなので、yamaが書いた文の中でも使うことが多い様です。そんな諺の中でも、子どもたちに話すときにもよく出てくるのは「失敗は成功の母」です。
世間では「子どもたちには成功体験を積ませてやるべきだ」などと言われているようですが、yamaは、子どもたちにとっては、成功体験より失敗体験の方が大切だと考えています。
失敗は成功の母
yamaが成功体験よりも失敗体験の方が大切だと考える理由は2つあります。
「失敗は成功の母」と聞くと、失敗体験から学ぶことで成功体験に結びつく、失敗体験を乗り越えることでレジリエンスが育つ、などのメリットはすぐに思いつきそうです。しかし、子育てにおいて失敗体験を大切に考える理由はもう一つあります。どちらかと言えば、そちらの理由の方が重要なのではないか、とyamaは思います。
自己肯定感と自己効力感
少し前に自己肯定感と言う言葉がもてはやされました。「子どもの自己肯定感を育てるべきだ」などとよく言われていたものです。しかし、そんな話を目にするたびに、yamaはよく違和感を感じていました。
ちょうど「アナと雪の女王」が流行った頃でしたか、主題歌「Let it go」の中の歌詞、
ありのままの 姿見せるのよ ありのままの 自分になるの
も随分有名になったものでした。
自己肯定感とよく似た言葉に自己効力感と言う言葉があります。
この二つの言葉は語感が似ていますが、意味はかなり違います。自己肯定感は「ありのままの自分」ですから、成功しようが失敗しようが自分を肯定的に受け入れることができる感覚です。誰でも成功は肯定的に受け入れることはできます。ところが、失敗を肯定的に受け入れることはなかなかできません。成功体験ばかり積み上げてしまうと、自己効力感は育つでしょうが、自己肯定感は育つ機会すらなくなってしまいます。時折、「子どもの自己肯定感を育てるには、スモールステップを積み上げて成功体験をさせることが必要だ」などと書いた記事を目にすることがありますが、yamaはそんな記事をこれっぽっちも信用しません。自己肯定感を育てる上で重要なのは、「失敗を受け入れる」体験ですから、成功体験だけでは育てようもないのです。
実は、自己肯定感を自分だけの力で育てるのは非常に困難です。特に、幼い子どもたちにとっては、ほぼ不可能、と言ってよいと思います。自己肯定感は人の力を借りなければ、なかなか育てることができません。自己肯定感を育てるには、身近な存在から、失敗した自分を認め受け入れてもらう経験を積み上げることがもっとも効果的です。子どもたちが失敗したとき、できれば、その失敗を笑い飛ばしてやってください。「今はまだできないだけ。いつかできる様になる。」と言って励ましてやってください。「よく頑張ってくれた。嬉しいよ。」とねぎらい、喜んでやってください。そんな経験を繰り返しているうちに、子どもたちは自己肯定感を育てることができるでしょう。