イノシシが出た!
大宜味には野生のイノシシがたくさん住んでいます。昨年はイタジイのドングリが豊作だったせいか、今年はイノシシをよく見かけます。例年、栄養失調で皮膚病にかかったウリ坊をよく見かけるのですが、今年見かけるウリ坊たちは栄養状態も良さそうです。
夕食前の一時、ぶながやっ子ハウスの前で子どもたちが騒ぐので、外に出てみました。子どもたちは国道を挟んだ向かい側の山の斜面を指さしながら、叫んでいました。
「イノシシ! イノシシがいるよ!」
子どもたちの指さす方を見るのですが、yamaにはよく見えません。そこで、事務所に戻ってカメラをとってきました。
「どこどこ? どこにいる?」
「あの白い花が咲いてる木の右上の方だよ!」
「あ、草の中に入った!」
子どもたちの声を手がかりに探し回ってようやく見つけました。
一頭の母親が三頭ほどの子どもを連れてエサを探しているようです。距離が数十メートルは離れているので、なかなかピントが合いません。ピントが合ってもイノシシはじっとはしてくれません。何十枚も撮ったうち、何とか見られるのは数枚くらいでしょうか。
沖縄のイノシシ(リュウキュウイノシシ)は臆病なので、こんなに長い時間、子連れを観察する機会はなかなかありません。子どもたちにとっては、良い経験になったと思います。
リュウキュウイノシシ
ニホンイノシシの亜種とされるが、別種との説もある。ニホンイノシシより小型で性質も臆病でおとなしいと言われている。やんばるでは今でも食用とされる。現在、人為的に持ち込まれたニホンイノシシやイノブタとの交雑が急速に進んでいるのではないか、とも言われている。方言ではヤマシシなどと呼ぶ。
yamaは中学高校時代を神戸で過ごしました。海の近くから川をさかのぼって六甲山に登ったものでした。六甲山のイノシシは身体も大きく人を怖がりません。川上りの途中で見かけたりしようものなら、すぐその場から逃げろと言われていたほど恐れられていました。沖縄に来て、始めてリュウキュウイノシシを見たときは、全くイメージが違うので驚いたものでした。
yama家の子どもたちは、幼い頃から自分たちで捕ってきた獲物を食べる経験をさせています。自分で捕った獲物を食べる有り難さ、命を頂くことの有り難さを教えてきました。猟師さんが撃ってきたイノシシを食べる経験はもちろん、解体を手伝わせてもらったこともあります.そんなこともあって、イノシシはやんばるの生き物の中でも特別な存在だと思います。