熱中症対策から学ぶこと

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熱中症対策

沖縄では梅雨の季節に真っ盛りです。毎日、鬱陶しい雨や曇り空が続いています。
やんばるの色々な生き物たちに出会うにはよい季節ですが、思うように外遊びができない子どもたちにとっては不満が募りやすい季節なのかもしれません。
梅雨が開けて夏本番になるまで、我慢の季節はもう少し続きそうです。

梅雨明け、夏本番になった頃、ぶながやっ子ハウスが最も気をつけているのが熱中症です。
今日は、熱中症の対策について少しお話ししてみたいと思います。

子どもたちは炎天下であっても、太陽の下、室外で走り回りたがるものです。
ぶながやっ子ハウスでは、子どもたちが積極的に外遊びするように仕向けています。
簡易プールや水鉄砲で遊ばせたり、おやつのかき氷やアイスクリームを外で食べたり、、、etc.
遊び場の近くに麦茶やスポーツドリンクを準備したり、様子を見ながら塩分補給させたりはもちろん、子どもたちの顔色や汗の様子をよく見るなどの熱中症の対策に気を配っています。
でも、ぶながやっ子ハウスの熱中症対策は、夏になる前の今頃から既に始まっているのです。

 

暑熱馴化(ショネツジュンカ)

2~3年ほど前から「熱中症の対策や予防として暑熱馴化が重要だ」と言われることが多くなってきました。実は、幼児や学童期の子どもたちに関わる仕事を持つものの間では、このことは昔からよく言われていることでした。

暑熱馴化とは、本格的に暑くなる前にあえて暑い環境に身を置いて積極的に汗をかくことで、汗をかくことに身体を馴らし、適切に汗をかくことができるように身体を整えておくことです。

熱中症の大きな原因は、汗をかかないことと汗をかきすぎることです。充分に汗をかくことができないと身体の熱を下げることができずに体温が上がりすぎてしまいます。逆に汗をかきすぎると水分を失って脱水症状になったり、塩分やミネラルを失って身体のバランスを崩してしまったりしてしまいます。汗をかかなくてもかきすぎても熱中症になってしまうのです。熱中症を予防するためには、汗をかかないようにしたり、水分や塩分を補給したりするだけでは足りません。それらは根本的な予防にはなりません。

もともと身体には、暑いときに適度に汗をかいて体温を調節して、熱中症を防ぐ働きがあります。それだけではなく、汗をかくことに身体が慣れてくると、汗と一緒に出たミネラルや塩分の一部を再吸収することまでできるようになるそうです。ところが、現代では汗をかかずに生活することが増えてしまいました。実は、このことが、近頃、熱中症が増えている一番の原因ではないか、とまで言われています。いつか訪れるであろう暑い夏に備えて、予め身体をならしておくこと、暑熱馴化が注目されているのには、そんな理由があるのです。

 

暑熱馴化から学ぶこと

子どもたちの人生はまだまだこれからです。子どもたちの人生が、いつでもいつまでも順風満帆である、とは言い切れません。いくつもの山や谷を経験することでしょう。大きな壁にぶつかることもあるに違いありません。そんな山や谷を全部、子どもたちの人生から取り除いてやることはできません。親が生きているうちは、あれこれと面倒を見てやることができるかもしれませんが、親は子どもより先に死んでしまうものです。子どもより長生きしたいと願う親はいないと思います。だとしたら、子どもたちがで山や谷を自分自身で乗り越えられる力を備えておいてやるべきではないでしょうか。

子どもたちには、無限の可能性があると言われます。そんな子どもたちが、少々の山や谷に負けてしまうはずがありません。しかし、そのためには、山や谷に予め馴れておかなければならないのです。冷房の利いた部屋で快適に過ごしてばかりいたのでは熱中症になりやすくなってしまうのと同じく、子どもたちの山や谷を取り除きすぎてしまうと、子どもたちは将来に出会うであろう山や谷を乗り越える力を失ってしまうのです。子どもが幼い頃に熱中症にならない様にと親が一所懸命に保護しすぎると、その時は熱中症にはならないものの、子どもを熱中症になりやすい暑さに弱い体質にしてしまいます。あとで困るのは子どもたちなのです。

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